夢の中の硝煙の臭いが、ときどき鼻をつくことがある/ホロウ・シカエルボク
 
なんだ、あれは夢に過ぎなかったのか)なんて
きみの中枢を
絶対的なものが破壊してくれることなんかないんだ、なんて




日付変更線が近づいてくると、むかし綴った大して意味のない言葉のことを思い出す
車に跳ね飛ばされて死んだ猫がネオンに当たるみたいにそれは光っているんだ
そしてきみはそれを何と呼べばいいのか分からない、その光景には
生きていることにも死んでいることにも
同等の力を持って働きかけてくるからだ
せめて生温い血が路面にでも流れていれば…だけどそれは出来事としてもう随分と前のことなんだ
ねえ、きみのポケットの中でジャラジャラいってたあの膨大な量の弾丸は
なにかの
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