夢の中の硝煙の臭いが、ときどき鼻をつくことがある/ホロウ・シカエルボク
壁に
群生した花の模様を描く
時々そうやって死んで見せてくれるきみに似ただれかに
きみはいつも四割ばかり不思議な安堵を覚える
肉体は感情よりもずっと速くずっしりと死んでいく
肉体が長引いては
留まれるかもしれないとたましいに思わせてしまうことになるからだ
肉体は感情よりもずっと速く確かにずっしりと死んでいく
色を失うのは分かりやすくするためさ
ああ、きみの夢
きみの夢のこめかみが発射の熱で焦げてる、そのススが
隠し続けた涙でしっとりと濡れている
分かるかい、かなしみは長く閉じ込めていても
古くなったりすることはたぶんないんだ
きみは目覚めたときにこう思うはずさ
(なん
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