鏡の塔 (生体反応の設計)/乾 加津也
 
向きになると空間ができ、窓を開けて風を通す、電力で快適をインテリアで満足を、約束された十分な睡眠をさそう部屋をだれのために?そこから問いがはじまった、(それは、息を、吹きかける、)WHO、not for sale、骨格というベーシックスペース、免震構造の哺乳類のためにわたしは建つ、バクテリアが育ち季節がきても、住まない、だれかを待つ、幾億もの哺乳類たちのなかに建ったわたしが奇妙な動きでそそくさと、紛れてきえる、わかっている、に寄生する

どうしても、辿りつかない手紙を書く、否定から生まれる物語をこのまま進めてみようじゃないか、風は笑う、吹いてしまったものはどうしようもないじゃない、それでも書く
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