挽詩/葉leaf
い涙、頬を濡らさない涙、目を湿らさない涙、液体ですらなくただ輝くようなふりをするだけで、その光だけを大音量で奏でて、決して姿を現さない涙だった。
あなたの人生はいくつもの支流に分かれた。あなたの本流は定められた意志のように姿を消したが、それよりも一層豊かにとりどりの支流を張り巡らせた。あなたの抑揚に満ちた呼吸の連打は、沢山の人に受け継がれた。ご家族、ご友人、仕事仲間、そして私。私は今日もまた、あなたの支流の上を、足を引きずったり軽やかに歩いたり走り込んだりしている。
あなたは、どこにでもいることができる。私の背後に立つこともできるし、駅で改札をくぐることもできる。マンションのベッドで眠
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