結納にて/はだいろ
、って、
いつも遊んでたいとこにウィンクしたつもりだった。
俺たちには関係ないけどね、って。
ところが、
いとこや、その家族にとっては、
おばあちゃんの遺産は、異常に神経質にならなければ、
ならない何ものかだったらしい。
ぼくは、びっくりした。
こころのそこから、びっくりした。
いとこが、ぼくの発言を、
その言葉じりを、どうゆうふうに伝えたかはわからない。
だけど、
それは、決定的な亀裂だった。
人間って、
わからないものだ。
同じように遊んでいても、
じつは、まったく違う世界の、まったく違う時間の、
まったく違うルールにいたということになる。
悲しいとか、
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