シカエルボク/ホロウ・シカエルボク
 




猛毒、を
飲みほして
喀血の
真赤な床は
まだらで
まだ誰の
足跡もなく
そのとき


フリー・ウェイで疾走するスーパー・カーが
一頭の雌鹿を跳ね飛ばしたんだ
20キロ程度のダイナマイトなハニー
ぼくの部屋の窓を突き破って断末魔の声も無く
角の先端はぼくの
太股の10センチ中あたり


そして温暖化問題で発狂した蛙が
一面の血の海に卵を産みつけて
赤い卵がきらきら
えぐり出した目玉のように
きらきら
きらきら


そこから生まれたのは
蛙と鹿と
ぼくとの
ハイブリッド
かたち
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