ありがとう、ハニー/ホロウ・シカエルボク
 
でね…部屋を覗かせてもらってもかまわないかな?」彼はおれの返事も待たず部屋に上がり込んだ、そして、ベッドの上の女を見つけた
「これはどういうことだ?おまえがやったのか?」ちがう、とおれは答えた「車に跳ねられたんだ、表通りで―死のうとしてるみたいに、花束を―枯れた花束を、抱いて―」で、跳ねられた、と、おれは息を切らせながらそう話した、バセドー病のせいで身体が過剰な興奮状態にあった…どうした、大丈夫かと警官が言った、大丈夫だとおれは答えた「金が無くて―薬をもらえていないだけなんだ、悪いけど、電話と着替えをする時間だけもらえるかな」
それから俺はすこしのあいだ法が用意したリゾート地で過ごし、今日
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