ありがとう、ハニー/ホロウ・シカエルボク
 
撫でてやった、シーツに少し血がついていた、初めてだったのか?とおれは冗談を言った
女は恥ずかしがって顔をそむけた
おれたちはそのまま静かに眠りについた
目覚めたのは目覚まし時計の音―ではなく、玄関が激しくノックされる音だった、時計を見ると五時少し前だった、うるさいな、とおれは怒鳴った、いま何時だと思ってやがるんだ?悪いが時間がどうのとかいう問題じゃないんだ、とドアの向こうの男は言った、こうしたことに慣れている人間の声だった、おれは服を着てドアを開けた「なにか?」ドアの外にいたのは体格のいい警官だった
「表の道路からおたくの家までずっと―死体を引きずったようなあとが続いていたものでね
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