うわ言のミッド・ナイト/ホロウ・シカエルボク
 




落下の形態が腑に落ちず
目下動転のとある夜だ
路地裏のとうに枯れた朝顔の鉢の
蔓の為の竹が歯の癖の様に泣く夜だ


眠る前から目覚まし時計が気になるのは
眠る前から目覚まし時計が気になるのは
きっとうまく眠れないだろう今夜を
確かに予感しているせいだ
いっそ眠らないでいてやろうか
てんで使いものにならなくなれば
誰も俺のことをあてにしないだろう


風呂場の蛇口の締りが悪くて
だらしない水滴が愚痴の様に落ちる
かからない催眠術のような音は
薄いカーテンのあたりで独り言のように消える
指のひび割れにつけた薬が沁みて
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