いまはどんな椅子に腰をかけてるの?/ホロウ・シカエルボク
 




フレデリック・ゾマーの
あまり質のよくないコピーと
「時計仕掛けのオレンジ」の
アレックスのニタリ笑い
きみの部屋に語るものがあるとすれば
きっとそれぐらいなものだった
すっかり色褪せたジーンズと
ヴェルベット・アンダーグラウンドの
お決まりにすぎるあのシャツ
名前の判らない外国のタバコ


どんなに時が流れても
きみはそうでしかありえなかった
誰のためのスタイルなのか
きみにすら判らなかった
カウンターだけのバーで
味も素っ気もないカクテル
きみの週末は
気がふれた平凡だった


音楽が流れていたよね
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