HOME/Akari Chika
 
くれる星の数は
私の横を通り過ぎる車の数よりも
多いだろうか
少ないだろうか

よたよたと階段を上ると
左側には民家が立ち並び
右側には空っぽの車が整列して威圧感を与えてくる
草を踏む音が
響き渡る

空を覗くことを私はためらう
星に呑まれてしまうのが怖い
ここから動きたくないって思ってしまうことが怖い
星は美しい
現実で出会う美しさとは
またちょっと違う美しさだ
星は優しい
温かくはないが冷たくもない
突き放す訳でも甘やかす訳でもなく
ただ自分の役目を知っている信号のように
一定の速度で光を放つ。

一呼吸おいて空を見上げると
オリオン座の三つ目と
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