リバー/アナログ/茶殻
 

僕が
さまざまなフェンス越しに
粗挽き肉のように咀嚼されることを考える
大きな大きな自由のカタマリなんかなくて
引っ繰り返された賽銭箱のようにそれは転がってる
トリュフを拾い集めるあの初老の
丸まった腰にのしかかる重力がイメージになる



どこかで
愛の言葉が
そんな風に
吹かれている
挽かれている
けれど
そうならないものは
必ずあるんじゃないかと思う
とてもとても高く上がったフライを落球した外野手
キャップを深くかぶり
バスに乗り込んだ姿は
愛を金属に喩えたことの罪滅ぼしのようだった


何を思いつめることがあるの?

誰も彼も同じ約束
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