岩尾忍詩集『箱』小論/葉leaf
 
からだ。
 さて、私は今「自己のものとして統御されている」と安易に語ってしまった。ところが、この「感受性が統御されている」という特徴は、岩尾忍の詩について特に顕著に表れているものであり、岩尾の詩を前提にしたからこそ、私はそこに統御の働きを見てとったのだ。岩尾が語るように、彼女の作品は、彼女の強い眼差しのもとで、厳しい統御のもとで書かれたものである。それゆえ、彼女の感受性は、統御された感受性であり、統御された身体に似ている。そして、彼女の作品は、彼女の感受性の起伏と差異の複合体と厳しく照らし合わされたものであるから、彼女の作品もまた統御された身体に似ている。

三階の上に四階があり
四階の上
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