BORN TO LOSE/ホロウ・シカエルボク
度と繰り返されることのないしろものなのだ、俺は苛立つ、だけど苛立ったところで草臥れた俺の脳髄がそれらをしっかりキャッチ出来るようになるわけじゃない、むしろ明らかな新たな障害として俺の前に立ちふさがるだけだ、俺はぼんやりとした苛立つ馬鹿だ
もうすぐ太陽は夕日に変わろうとしている、暮れてゆく、戸惑いひとつ見せることなく、明らかに、確かに…日常に泥酔した状態の俺にはそいつにかける言葉すらない、ぼんやりと、ただぼんやりと口を開けて、己の周りに漂う塵を飲み込んでいるだけだ、塵のひとつひとつが、喉を通過するときに小さな傷をつけてゆく、ひとりで、何も語らずに休日を通過しているだけの俺は、いつの間にか
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