十二月の童話/salco
 
して珊瑚のように、夜に産卵するのだ
 だからあんなにちりちりと瞬いている
 
 いや?
 何かの相図をし合っているのかも知れない
 陸上魚もあんな風に光を発したり
 盛んに音を出すのだから
 意を通じ合っているに違いない
 
 冷光巨大は体が大きいぶん強いから
 朝方や暮れ方にも活動しているが
 灼熱巨大が現れるや、恐れて隠れてしまう
 何しろあんなに眩しくて強いのだから
 あの鮫が鯨には道を譲るのと同じなのだ

そう思い至って合点したのでした。

月のない晩は、星々や雲を眺めて過ごします。
そんな風に色々見ながら考え事をするのに
岩場は好都合でした。
鱗が
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