十二月の童話/salco
あそこに行ける術はあるのだろうか
飛び込む方法がどこかにあるのか
もし、仲間があそこにいたらどうしよう
こんなに残念なことはない
いや、いる筈はないのだ
自分だってこちらの海にいるのだから
仲間はこちらにいる筈なのだ
陸上魚だって、仲間が陸にいるではないか
そんな風に、半魚人は思ってみるのでした。
白いおもてに青痣を浮かべた光は変態を繰り返し
遠くで瞬く小さな光達も生きているに違いありません。
それにしては動きがひどく緩慢なのが
つくづく不思議です。
あの生き物達は、ほんの少しずつ動く
陸で見た植物のようなものかな
そして
[次のページ]
戻る 編 削 Point(11)