十二月の童話/salco
 

 
 あそこに行ける術はあるのだろうか
 飛び込む方法がどこかにあるのか
 もし、仲間があそこにいたらどうしよう
 こんなに残念なことはない
 いや、いる筈はないのだ
 自分だってこちらの海にいるのだから
 仲間はこちらにいる筈なのだ
 陸上魚だって、仲間が陸にいるではないか

そんな風に、半魚人は思ってみるのでした。


白いおもてに青痣を浮かべた光は変態を繰り返し
遠くで瞬く小さな光達も生きているに違いありません。
それにしては動きがひどく緩慢なのが
つくづく不思議です。

 あの生き物達は、ほんの少しずつ動く
 陸で見た植物のようなものかな
 そして
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