田村隆一論??フィクションの危険/葉leaf
 
が現実に対応するとき、それを意味論的ノンフィクションと呼ぼう。(2)語り手の語り方が、語りの真偽を問題としない場合、それを言語行為的フィクションと呼ぼう。逆に、語り手の語りが、語りを真だと主張するとき、それを言語行為的ノンフィクションと呼ぼう。(3)語りの受け手が虚構的な語りを想像するとき、それをごっこ遊び的フィクションと呼ぼう。逆に、語りの受け手が語りをありのままに受け入れるとき、それをごっこ遊び的ノンフィクションと呼ぼう。そうすると、詩の語りにおいて、以下の八つのケースが想定される。

(1)意味論的ノンフィクション―言語行為的ノンフィクション―ごっこ遊び的ノンフィクション
 この場合、
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