田村隆一論??フィクションの危険/葉leaf
の信用性
さて、意味論的フィクション、語用論的フィクション(言語行為論的、ごっこ遊び理論的)を検討すると見えてくるのは、ある語りがフィクションであるかどうかは、(1)語られた内容の真偽性、(2)語り方が真偽を問題とするか、(3)受け手が語りを二重化するか、という三つの要素を考慮しないと分からないということである。そして、語られた内容、語り方、受け止められ方、がそれぞれ異なることで、詩が信用できるかどうかも変わってくる。
2.1.フィクション/ノンフィクション
(1)語られた内容が現実と対応しない、すなわち偽であるとき、それを意味論的フィクションと呼ぼう。逆に、語られた内容が現
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