monologue/雛鳥むく
 
ない。
収縮をくりかえす砂の城
 「間引き、間引き、間引き、
鎖国?
 「いいえ、わたしだけが。
ああ、



妊婦のいない王国に
白い流体が降り注ぐのです
さながら雪のように
(殴打)
(殴打に次ぐ殴打、)
祝福の電報が行き交い
誕生というものは絶えることのない
詩人たちは呪文を唱えながら街を徘徊する
 「太郎の屋根に語彙ふりつむ。
 「太郎を眠らせ。
眠りまでしろく、
しろい語彙だけがたかく、







王国はいつまでもそこにありますように
ありつづけますように
(そこ、 それ、 どれ?
代名詞を扱いかねている子どもたち

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