谷川雁論??自己愛と自由/葉leaf
だ。「あさ」や「がらす」などといった抒情的なイメージとともに、「東京」という社会的なイメージ、「ふるさと」という土俗的なイメージが使われている。これは谷川の詩の世界の振幅の大きさを示すと同時に、谷川の精神が大きな軌道を描いて様々な領域を遍歴していたことをも示している。
私の夢想は平凡きわまるものだ。前衛と原点――このような対置が一度決まれば、論理と感性、意識と下意識、機械と大地、首都と故郷などの相互に対立する範疇の群は、ほぼ同じ比例関係のなかに生きているのだから、民衆の革命に対する不満をそのまま一つの部隊に編成しうるのではないかということだ。
(「幻影の革命政府について」)
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