谷川雁論??自己愛と自由/葉leaf
で真の自由を手に入れた。それまで自己に詩作を強制していた王を殺し、未来へと自分を投げ出した。
だから、谷川にとって詩というものは、自らを美化し自らを高い地点に安住させるものというよりはむしろ、その中に他者というものをどんどん含みこんでいき、他者のまなざし・自由を承認し、自らを規定していた「瞬間の王」を殺し自らを自由にする、そういうものであったと思われる。
4.おわりに
サルトルの思想が絶対的に正しいとは思わない。彼の思想はむしろ理想的であり、現実には人間の即物化などいくらでも起こっている。人間は過去のしがらみからそう簡単に逃れることはできないし、完全に主体的になることも難しいし、
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