「虚体/アラガイs
 


第三者の立場から見ても、それが一抹の不安に彩られた虚栄心から顕示欲を示すものなのか
真新しい車で一目惚れの旅に出る
そんな、未知数な期待を余儀なくされた
突然の解放感から滲みでるものなのかは誰にもわからない 。
ただ、わたし以外に別な指紋が発見されてからというもの
それまでの傲慢さは影を潜め、女は狂ったように俯いてばかりで黙秘を続けている
日ごと懐かしさに襲われる耳を棲まわせるように、
架空の部屋にいる
(忘れ去ることはできない、憎しみは何れ蘇るものなのよ)
死体は一体どこに消えたのか
わたしは幾日も問い詰めた 。

もちろん「朝/陽が顔を出せば、そ
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