「虚体/アラガイs
 
、その声はいつのまにか雑音に塗り替えられて
何事もなかったような瞑想の一日が始まるわけだが「それもこれも
」昼間「夜と肩を摺らす喧騒の違いから次第〃に内部へと溜まってゆく孤独の影/いや、これはきみ自身の声ではないか」
信じるにはまだ刻が早すぎたこと…それに馬がはしり去る…ここは隔離された最果ての小さな島
深い海と陰鬱な山に囲まれ、もがけばもがくほど小刻みに誓う怨念の姿よ
(誰かが、聞こえている)誰にも聞こえはしない
鍵穴から押し入れを開くと紫陽花の薄い花で埋まり
有機物は自らその存在を確かめる
「あの死体は確かに消えた/言葉を添えて……消えてしまったのだ」
そしてこれからも、誰かがそう問い続けるにちがいない 。








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