予感/まーつん
は 声をかける
ようこそ 白の世界へ と
君は ことばの種子
まっさらな シーツを汚す
黒い破水の染み その最初の一滴
成長し 分裂し 紙いっぱいに 繁殖して
今の 僕自身を反映する 鏡の世界の住人となる
君たちは木になり 花になり 鳥になり
もしかしたら 己が形作るその景観故に 人々から
愛されさえする かもしれない
し
見向きもされない かもしれない
でも どちらであれ 僕が 空(そら)となって
君らを見守ることに かわりはない
君たちが乾いたら この白い大地に 雨を注いであげる
君たちが寂しくなったら なにか新しい生き物を 届けてあげる
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