蛇音/よーすけ
 
と思っていたが、亀井は極めて真面目な生徒で、嘘をついてまでクラスの中で目立とうなどと考える奴ではなく、誰もが発言の意図を疑った。数日後、亀井は集落と思われるものが写った写真を持ってきた。
写真は数枚あった。ベニヤ板に「不浄、そして復活の地」と書かれた看板を写したもの。外壁全体に呪詛の言葉が書き連ねられ、敷地を囲むように黄ばんだ色のゴミ袋(中身は見えない)が隙間なく並べられた民家の写真。そしてその集落に入る道に一定の間隔で置かれた、木を人の形に彫った写真。それらを見せつけられた栗須を含むクラスの連中は、みな口を開けたまま何も言えなかった。見てはいけないものを見たような気がした。亀井はクラス全員に恐
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