さよならパリ??高塚謙太郎とボードレール/葉leaf
(1)「攻撃性を自覚しながらあえて攻撃すること」ではなく、そこに(2)「攻撃性を自覚しているが故に進んで攻撃すること」が混ざって緊張した複合体である。だが、高塚にとってこの混合はごく自然なものであり、(1)が弱まると同時に(2)が強まっているのに対し、ボードレールにとってこの混合は、説明や正当化によって辛うじて勝ち得、それを失う不安と常に戦わなければならない迂遠なものであり、(1)という本来の残酷さがそれほど弱まらず、むしろそれと不断に戦わなければならない。
2.3.愛情
ドロテは進む。その豊かな腰の上の、細りした胴体をものうく揺りながら。明るい薔薇色をした、ぴったりと身体に合った絹
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)