僕と彼女と月/竜門勇気
たさを放っている
諦めてしまえば楽にはなるんだ
死んでしまえば感じなくはなるんだ
誰かのために生きていたいとは思わない
彼女に関わる感情を
痛くても 悲しくても 辛くても 感じ続けていたい
無いことよりは 探して絶望するよりは
僕の中にある感情を 彼女に関わる感情を
手放したくなっても 重荷になっても もう中身はどこかへ行ってしまったとしても
感じていたい
まだずっと
だから僕は永遠がこわくない
彼女の言葉は悲しかった
彼女の望みは辛かった
僕は口を噤んだ
僕は両手に戒めをかけた
僕は両足を縛ったんだ
頭の中だけ自由なまま
両目から
とてもじゃないけど
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)