デート/はるな
 
夫しよう。」

「どうやって?だって、わたしは今でもそのすき間に落ちたくなんてないの。わたしは同じ時間のなかにいたいの。一万分の一秒もつまづいてずれてしまいたくはないの。
でもそれはわたしだけじゃ決められないもの。物事との出会いを、自分自身で決められたことが今までに一度でもあった?同じことがきっと起こる。望むと望まざるに関わらず、そのすき間は現れて―あるいは現れないかもしれないけれど―わたしをその中に落としてしまう。」

「ほんのすこし先を生きるというのはどうだろう?」

「ほんのすこし先を生きる?」

「もちろん実際にそれができるかどうかは難しいところだとは思う。ただ、君が、ほ
[次のページ]
戻る   Point(2)