オッペのひと/恋月 ぴの
目覚めまで
安らかに寝入ることができるのでは
たとえ二度と目覚めの訪れぬ眠りであったとしても
そんな浅はかな夢想を諭そうとしたのか
手の届きそうな低さのところで山鳥の鋭い鳴き声一閃
厳しい冬はすぐそこまで訪れていることを知る
※
仮に拙いながらも詩を書いていると住人たちへ告げたとしたら
ゲストハウスのなかへと招き入れてくれるだろうか
ステージらしきところに呼ばれて簡単な自己紹介
そして促されるまま携帯サイトから引き出した拙い自詩を読みだす
場違いな山ガール風情な震え声の朗読に暫し耳を傾け
よそ者の乱入に戸惑う場を取りなそうと
長い髪を後ろで結わ
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