川沿いの聖堂/コーリャ
。白すぎる星の原に風が鳴る。水に、手を、泳がせる。波紋の野火が白光を川面に散らした。ちいさな波を掠めながら静かに消えた。いつのまにか対岸に女の影が立っている。手をひっこめる。僕は立ってそちらを見つめる。相手も僕を見つめる。女はなぜか裸足だった。後ろで誰かが僕の名を呼んでいる。振り返る。誰もいない。また前を向く。女はいなくなっている。彼岸の先では聖堂が灯っている。そして僕の前には。
川が残酷のような姿をして流れている。
俯くと、水とアルコールの混血児が僕の首に手を回してくる。誰かが僕の名を呼んでいる。鼻の奥から麻の匂いがする。僕たちはあやまっていたんだろうか?なごやかにすべてなかっ
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