歌謡曲日和 -あさき 赤い鈴-/只野亜峰
よりも薄っぺらいので強い刺激に長期間耐えられるようにはできていなかったりするわけですね。こうなってしまった場合に野郎という生き物がどうなってしまうかと言うと、それでもしばらくは手放したくないもんですから彼女の事を追いかけるわけですね。けれども喩えるならそれはゴールの見えないフルマラソンをさせられてるようなもんですからいずれ破綻してしまうわけです。どんなに屈強な石橋だって叩き続ければいずれ壊れてしまいますね。
それが『僕は本当は必要とされていないのではないだろうか』という迷妄になり、吐き気さえ覚える能面のような笑顔になったりするわけですね。でも彼女はそれでもキャッキャウフフの追いかけっこを楽しん
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