歌謡曲日和 -あさき 赤い鈴-/只野亜峰
 
ピア運動の挫折と解するべきだなんていうトンデモ理論まで出てきてすぎやまこういちが憤慨したりとなかなか落ち着かない周辺事情があったりするわけですが、雨情の没後に発見された草稿にこんな続きがあったなんていう逸話もあったりしますね。

  生まれた 日本が 恋しくば
青い海眺めて ゐるんだらう(いるんだろう)
異人さんに たのんで 帰って来(こ)

 素直に読めば少年視点での少女との別れを描いたこの詩は過不足なく少年の心情を描ききってる作品で、少女が異人さんに連れられていってしまった理由に対する言及も無いですし、少女が去ってしまった現実と少女も異人さんのような青
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