もしかしたらそれはさっきの鳥かもしれない/ホロウ・シカエルボク
ろの記憶
今日はもうきっとこれ以上は暑くはならないよ
ウンザリするような夏はもう終わっているんだ
サンドウィッチと保温ポットのホットコーヒー
胃袋に投げ込むまでもうそんなに時間はかからないさ
クラプトンのチョーキングみたいな鳴声の鳥が
遥か遠くの枝でライブしている
「ジャーニー・マン」やってくれよと俺がリクエストすると
お愛想的な角度で君は微笑むんだ
やがて水の匂いがし始める
混ざりもののない本当の水の匂いだ
湖面が反射する光を木立が受け止めて
俺たちはまるでカレイドスコープの中で生きてるみたいだ
君は湖に手を浸して冷たいと言う
「心臓が止ま
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