もしかしたらそれはさっきの鳥かもしれない/ホロウ・シカエルボク
まだ淡い色の枯れ葉が積もる遊歩道を抜けて
偽善的な11月の太陽の陽射しを浴びに行くんだ
口元から漏れるのは20年前に覚えたメロディーと
歩きなれない道が植え付けた荒い息
新しいショートブーツは何度も君の足元を不確かにさせて
俺は立ち止まって何度も振り返って
そのたびに君は照れたように笑った
思えばそれがどんなつながりよりも確かな瞬間だったかもしれない
木漏れ日の中では全てが永遠に思えるものだ
遠くから聞こえてくるのはどこかの野外フェスのエッジのきいたギター
歓声が流れの速い雲の様に中空を泳いでいる
湖のほとりにはきっと誰も居ない
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)