これは懺悔ではない。/安樹
しょうか。
ああそうだ。私はこうして自らの罪を晒す事により、自らを罰そうとしているのです。
罪には罰が必要なのです。罰それこそが赦しなのです。
しかしこれまで私を罰してくださる方がどなたかいらしたでしょうか。
いいえ、みな私を蝶よ花よと、いえ、腫れ物に触るように扱い、罰するなどという事をしてはくれなかった。
だから私はいつまで経っても赦されないのです。
ああ、ここでまたひとつ、私は他人のせいにするという罪を犯しました。
私の胸にぽっかりと空いた穴は、罪という暗く深い穴はどうしたら埋まるのでしょうか。
ああ、ああ、世の中私だけが罪人なのです。そんな気になります。私はそれが苦し
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