ちいさな/木屋 亞万
 
の汚れたプールの底のような青い海
くすんだ水色で
あまり美しくはない

それが液体であること以外
何もわからない
さっきまで乾いたところにいたことに
ようやく気付いたくらいだ


しずんでいく
とてもしずかだ


ぜんたいがうっすらとあかるい
ひかりがほうわしている


ふっ と

からだが浮かぶ気配がして

水をかく手をとめると
おしりの辺りから
やわらかい手のひらで
おしあげられるように
浮かんでいく

あしの力をぬいて
やわらかい安楽いすにすわるように
足をふんわりひらく

いつのまにか口があいたままになるくらい
ここちよく浮
[次のページ]
戻る   Point(6)