世界にはどうしてこんなにたくさんの音が溢れているのだろう/ホロウ・シカエルボク
ないことだ…どこかの暢気な住宅が昼の食事の用意をしている、その匂いが漂ってくる、本当に必要なのか判らない食事、決められた時間の決められた接種、それは欲望として妥当なのだろうか?俺はすでに腹ペコで腹は鳴り続けている、世界にはどうしてこんなに音がある、食事を採るべきなのだろうか、空腹を満たすためにはそこに食物を流しこむことしかないのだろうか?ある種のことには新しい回答なんか必要はないだろう、これだってまさしくそういうものだろう、だけどそれは、それでOK出来るかどうかということとはまるで別の問題なのだ、腹が減るといつも、どこかのマンションの一室で餓死した子供のことを思い出す、食うことが出来ず死んでいった
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