世界にはどうしてこんなにたくさんの音が溢れているのだろう/ホロウ・シカエルボク
に記された経過に目を丸くするのさ、どうしてこんなに時間が経っているんだって、行き過ぎたもののことを考えてみてもそこに何があったのかどうしても思い出せない、それは書かれなかった遺書の様なものだ、書かれなかったとしてもそれは遺書には違いないのだ、そうだろ?カーテンを開いて窓の外を見る、世界の明度は何も変化していない、雨が降り続いていて何かが麻痺している、世界にはどうしてこんなに音が溢れているんだ、そのどこまでが聞かれるための音で、そのどこまでが聞かなくていい音なんだ、そしてそれは何度決めればいいんだ、俺はいつの間にか目を見開いていた、いつの間にかそれを見極めようとしていたのだ、馬鹿なことだ、くだらない
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