世界にはどうしてこんなにたくさんの音が溢れているのだろう/ホロウ・シカエルボク
について語ることは出来ない、それが出来るのはどんな時代だってアコースティック・ギターと懸命なブルース・ハープさ、空虚について語ろうとするとどうしてあらゆる言葉を使おうとするのだろう、空虚について語ろうとすると何もかもをぶちまけようとしてしまう、空になった膀胱から鈍い痛みが走る、収縮しようとするときになにかを噛んでしまったみたいな痛み、だけどそんなことを気にしていても仕方がないのだ、路面電車は指定時間に巡回をする警備員の様にやってくる、規則的な鉄の軋みで小さな世界が揺れる、部屋の振動にはなんらかのくだらない旋律を貼りつけることが出来るが俺はまだしたことがない、そんなことをしなければならないほどまだ手
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