世界にはどうしてこんなにたくさんの音が溢れているのだろう/ホロウ・シカエルボク
してしかきっと認めることは出来ない、賭けを下りるか、それとも続けるか、まだ夜が明ける前に何度も無意識下で自問してきたのだろう、覚醒の瞬間から何もかもが擦り切れていた、まるでうち捨てられた布切れのようだった、布切れの死体には誰も罪悪感など抱きはしない、ただ時と共に擦り切れてゆくだけだ、溜まり過ぎた小便が思考を圧迫するので便所で全て放出した、数時間存在を共有した水分、今この時からただの下水だ、俺の知らない通りを旅して処理されるがいい、俺はスピーカーのボリュームを上げる、ハードなアコースティック・ギターのカッティング、降り続ける雨のリズムよりもほんの少し速い、プログラミング・ミュージックは本当の狂気につ
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