青空の刃/さすらいのまーつん
 
した そして答えた

愚か者め 私がそうと決めたことを
詩人気取りの半端者ごときが 覆せると思っているのか
私は太陽と相談し 地上から影を一掃することに 決めたのだ

お前たちが影の毛布にくるまって見る 夢の価値など
その同じお前たちが 同じ影の中に育てる 罪の薔薇の毒に比べれば
何ほどの事もない

弱きものが摂理ゆえに 日なたを追われることを 私は惜しんだりせぬ

真昼の陽射しの正しさに脅えるものが 星に託す願いなどに 私は一瞥も与えぬ

影は罪の温床 言い訳の故郷 秘め事の隠れ家
私の目はただ忌まわしいもの以外何一つ そこに見出すことはない
故に不遜な放浪者よ 
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