眠ったままのなかの思考/ホロウ・シカエルボク
と目が覚める、西日は背中を向けて帰り支度を始める、太陽は、太陽はひとりだろうか、それともなにか、そういうこととはまったく異なる法則のもとに進行するものなのだろうか、だけど、そうは思えないのだ、太陽は絶対に、上手いさよならの仕方を知っている、ほら、こんな気分には覚えがある、あたたかい亡霊だ、観念的な浮遊、誰にも捕まえられない…遠くでさまざまななにかが動き続けている、安易に地に足を着けられる連中のいとなみがそこにはある、道路工事はわずかな時間で目的を達成する、表通りはきっと今頃吸殻が溢れているだろう、部屋がだんだんと光をうしなってゆく、だけど、まだ明るい、果たしてそれを光と呼ぶことはかまわないのだろう
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