ランチタイム/オノ
ェシカよりローラが好きだったのは、彼女の口から
時折飛び出す大胆で辛らつな言葉だったり、詩の一節だったり、
映画の名台詞だったり、どれもジェシカの機転では出てこない
ようなものばかりだった。
彼女のような気のついた女の子と付き合うのがネルソンの
長年の夢だった。
「私はもうあなたと仲良くするわけにはいかないわ。」
夫に先立たれた老婦人のような顔をしたジェシカがカフェに
現れて、ローラに対する第一声がそう放たれた。
それから、ジェシカは、泣きながら、友達だと思っていた、
と切り出した。
ジェシカは次のようなことを言った。
わたしはあなたのことをずっと友達だと思っていた。
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