探索/葉leaf
ふける馬が血管を伸ばしている。ひときわ厚いシーンが町並みを対流させている、底面にはうっすらと恒星が生え出している。
3
うららかな午後、探偵は壁の中に埋まっていて、犯人は探偵を掘り出している。机の抽斗の中から誰かが呼んでいる、声の角度を気にかけている。机の上は水でいっぱいで、水の表面はしわだらけだ。掘り出された探偵は早口に自分の推理をまくし立てるが、どんどん床に埋まっていく。犯人は天井から降ってきた文字に覆われる。抽斗の中から誰かが犯人を朗読している。
4
光にまみれた昼の形体はタオルで光を拭き取り、一瞬だけ闇が発芽するのを苦しむ。昼の形体は太陽との距離を細かくちぎって図書
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