探索/葉leaf
図書館に収蔵する。湿っていく宇宙の骨格を光に翻訳しきれなくて、昼の形体は視野の満ち引きに紛れ込む。朽ちた光の血、病んだ空間の名前。昼の形体の呼吸をたどって酸素が進化する。春の草花は声の中に沈み、小さな風景を巻き上げている。
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淫らな道路たち。快楽のように薄く長く、倦怠のように硬くざらついている。淫らな道路を愛撫する清冽なタイヤたち。聞こえた流体の分だけ密になればいい。タンポポがむかれている、四角く固められた腕が燃やされている。淫らな道路たちで編んだかごを腕に提げて、少女は星を買いにいく。雨が上昇する春の昼下がり、雨粒の帝王切開で地球が産まれた。
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