革命前夜/faik
 
だのか、数秒としない内に私の意識はレムの藻屑と消えた。

 そうして再び、けたたましい音。ぬぬぅ、何事ぞ。誰にともなく装いながら、おぼろな記憶で根源を手繰る。時刻は九時十分。何、まだほんの数分じゃないか!軽い絶望と苛立ちを味わいながらアラームを止めようとして、ふと思い出す。
 そうだ。昨日の晩、私は決意したのだ。明日から変わろう。明日からはこのゲスな生活を脱し、大事を成し遂げ世に羽ばたこう。私は生まれ変わるのだ、明日こそ必ず。
 そう。確かに昨晩、私の瞳には希望と決意が満ち満ちていた。それを思うと大変誇らしく、そうして早々と暴挙を遂げてしまった自分を愚かしく、ひどくみすぼらしく思う。
[次のページ]
戻る   Point(3)