革命前夜/faik
 
元の時計がカチリ、と九時一分を刻む。秒針からカーテンへと耳を逸らせば窓の外はどしゃぶりの雨。私個人としては革命的であった前日の体験も相まって、大袈裟すぎるが深刻な虚脱感に襲われる。
 今日は終日予定なし。いや、見栄をはらずに“今日も”と言うか。臆病で出不精な自分には、本来、昨日のような行事があることのほうが珍しいのだ。
 そこで考える悪しきこと。二度寝だ。こんな陰鬱な日は寝過ごしてしまうに限る。
 自堕落を正当化する為か、次第に身体がだるくなる。これは風邪かもしれないぞ、とまことしやかによく通る鼻を啜る。下らない。瞼を閉ざし、布団を肩へ。引きずり込まれたのか、あるいは進んで飛び込んだの
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