詩作行為の倫理学/葉leaf
帰属原理が妥当すると思われる。
では、利益を行為に帰属する場合の帰属原理はどのようなものが妥当か。そもそも、刑法学の相当因果関係説は、刑法の行為規範としての側面に着目し、どのような結果を行為に帰責させれば犯罪抑止上効果的であるか、という観点から提唱されているものである。刑法は、行為時に結果が認識可能・予見可能であるのに行為者が敢えて行為するようなケースを禁圧するのであり、それは、個人的・社会的不利益が生じないようにという政策的配慮に基づくのである。つまり、相当因果関係説は、生じる結果が不利益であることを前提として、不利益を防止する観点から唱えられたものに過ぎないのであるから、生じる結果が利益で
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