聖域なき未来に少女がみた世界/済谷川蛍
なく「ゆりかごのうた」のメロディが流れてきた。少女が音のほうへ誘われるとロボットが生き埋めの状態でいた。
「ゴジデス」
少女は黙ってロボットを見つめた。ロボットは五時ですと言ったきり何も喋らない。疲れ切っていた少女が立ち去ろうとするとふいにロボットが喋った。
「アスハアメガフルデショウ。ソレデハサヨウナラ」
雨のあたる窓の横で本を読んでいると、また女子たちが彼女を囲んだ。少女は嫌な予感がした。
「サチコさー、学校の帰りに廃棄場に行ってない?」
どう反応しようかと迷っているうちに女子グループの一人が言った。
「やっぱさー、友達いないとやることない?」
幼稚なイジ
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