緑翔/竜門勇気
アスファルトの
無音の
道路をいく
熱風が
絡まって
空の色が
濃くなっていく
青いワンピースの
少女が
かけていくのが見える
くたばりやがれ!
ゴミ野郎!
振り向いて
そう言われた
全くその通りだと
答えてやりたかったが
最初から全部
僕の作り話なので
僕は僕に
お前は正しいよ、と
囁くのが精一杯だった
口の端に
泡が溜まる
服を着た犬が
やたらと
荷物を押し付けてくる夜
両腕縛って
笑い飛ばしてみたい
家の中に
憂さが溜まる
服を着たいのだが
ここには
僕の入る靴が無いから
ここで
着飾って遊ぶくらいな
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